人類の輝かしい前進は、歴史に対する謙虚な傾聴によって始まるといえましょう。「過去は現在の深さであり、未来は現在の広さである」と教示されます。我われはまず、無始以来の人類の「生命の足音」に渇仰の耳を傾けて、永遠の未来を見定めつつ、現在を充全に生きることを願って、歩んでいます。この我われの魂の軌跡を『生命の足音』「大阪教区教化センター紀要」として発刊することになりました。
一九八七年一月一日に新発足した当教化センターは、「真宗教学の研究、並びに大阪教区の教化活動に必要な調査及び研究を行い、併せて人材の養成をはかり、もって時代社会の要請に応える総合教化活動の推進」を願って誕生しました。
この歩みは常に、人類的視野に立ってなされなくてはなりません。同時に、現に人間として時代社会に生きる我われは、現代の課題を広く深く、生命ある自己の課題として、真摯に主体的に受けて立たなくてはなりません。
心ある諸氏のご叱正とご鞭撻を賜り、歩みを共にして下さることを伏してお願い致します。
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